Life

知らない世界に 飛び込むこと

ベルガモ12日目

石畳の上に、喜びの光が射している

眩しくて目を細めても

照り返してくるのは笑顔

風よ

煉瓦造りの屋根や壁に新しい色をつけて行く

剥がれていくものなど、ひとつもない

すべては土に還ってゆき、

心は少しずつ乾くのだろう

…地上はややこしい

夜、東京の空を飛び去っていく飛行機の窓から

かの街が電線になっている事を知ってしまった

寸断されてしまうような(伝播されていくんじゃなくて)

送電されてくようだった

か細い神経のようだった

…美しさとは

それは沈黙だった

心がざわついたあとの

思考の墓石に手向けた花

2014.6.28 PM20:01 K.Ayabe

終演が来て

日々は更新する

のではなくて

何かもっと別の

新しさの時間

K.Ayabe

滑る

アイスコーヒーが喉を通る。

育った街にあり、ゴールキーパー役を買って出た

あの小さな公園の滑り台

砂がたまって、なかなか降りて行かない滑り台と違って

つるりとアイスコーヒーが喉を滑った。

ひんやりとした、足の裏が感じたシルバーの鉄製

思い出はカラダの一部ずつ取出したようで、

この冷たい懐かしさだけが全身をめぐる。

K.Ayaber

6月3日

母が居間で寝そべっている

そんな居心地のわるい夏の風が部屋に溜まって

パソコンの画面に集中してキーボードを叩いていても、

お茶を飲みながら、テレビドラマの台詞が耳に邪魔しにくる

窓を閉めているとそんな錯覚に入る

これからシャワーを浴びてさっとスタジオへ行き、

こないだから通いだした新宿御苑前の歯科へ行き

物販作業用に代官山へ行き、

夜にまた都立大のスタジオへ入って帰りは遅いからね。

じゃね。

灼けついた影

燃焼している僕を横目に

水が入ったバケツを影がかけてくる

影を抜け、影を抜け

ただし影にとって

僕の方が影なのかもしれない

K.Ayabe

麦茶

香ばしい麦茶の匂いが、グラスの大きなふちに溜まっている

コップを傾けると鼻がすっぽりその濃い香りの中へ浸かる

昨日の作業でやや筋の張った右腕が、潮面にわずか波を立て

ゆっくりとテーブルに仕舞われる際は大きく波立った

この部屋は、大きな木陰のよう。

入ってくる涼しげな風は、庭のケヤキやオレンジの老木が一度冷ましてから入れてくるようで、

3年目の夏も過ごしやすさが想像出来る。

青い夏、東京の。

K.Ayabe

無垢

新しくなろうとする

それが原点にたれ

K.Ayabe

夕刻

夕刻

初夏ともあって、日射しの方向はまだ庭に向いている。

薄いカーテンが山の隆起を思わせるには、いかほどか弱い風が吹いている。

知らぬ間に自然は訪れたり、還ったりしているのだろうが、

そこら辺目を向けてもその往来は確認できない。

来週から始まる谷川くんとの演奏ツアーに向けて、照明力をやや落としたパソコンが部屋の中で唯一光源となっている。

網戸を閉めているから昆虫達が30cmほどの恒星を目指すことは今は例外だろう。

K.Ayabe

13:49 本棚 調べ

藤椅子に腰掛けた自分だけが意識して、時世界は変わるのか

昨日から小さな目標を持って日記を書く事にした。

目標を紙に書くことで、大体の達成を終えてしまった過去からしたら、

幾分も挑戦的な目標だといえる。

紙に書かないという意味では。

最新のニコンDシリーズでさえ目に入ることの、ほんの一部分しか映す事が出来ない様に

僕が今見えている、本棚ひとつとっても、10年前から触り続けているギター1本にしても、

文字にして表現出来ることは「こんにちは。さようなら。また明日」程度の内容に過ぎない。

ただ、その言葉が高価でアルミ箱に入った色鉛筆以上の色彩を持ち、3Dプリンターと同じくらいの精度で形を形成し、

手で触った感触=文字数に比例してくるような場面に出会うようなこと。

それが最終的な目的と言っておく。

ツボミから花が溢れだすように、青々とした空へ還っていった祖母のように、

儚き自然の吐息のような風を今日も受けて、しゃんと背筋を伸ばして生きようと思う。

K.Ayabe